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1分と待たないうちに、ケータイが軽快な音楽とともに震える。
知らないケータイの番号。
落ち着くために数コール待ってから通話ボタンを押す。
「も、もしもし…」
緊張して、思わずどもる。
「もしもし?俺ー。亜実?」
聞こえてきたのは低めのよく言えば明るい 、悪く言えば少しチャラそうな声。
「うん。亜実です。聖弥?」
だめだ、緊張のあまり敬語になってうまく話すことさえできない。
「そうそう。もう着くけん、そのまま待ってて」
「わかった。あ、ピンクのケータイ持ってるから」
だんだんと近づいてきているのがわかる。
うれしさを感じる余裕も、なくなってきた。
きょろきょろしていると視界に、電話しながらこちらに来る男の子が見えてきた。
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