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その後の5時限目
「はぁ……」
授業ってめちゃめちゃ退屈ですよね。
「えー、じゃあ藤原四子。誰か言ってみろ……朝伎」
僕かよ。
「南家の武智麻呂、北家の房前、式家の宇合、京家の麻呂です」
日本史は得意なんですよね。自己学習で2周しました。
年老いた先生は少し驚いたような顔で僕を見ていたが、やがて我に帰ったようにまた全体に向けて話し始めた。
来年は3年生かぁ、遊んでる暇なんてないんだろうな。
この高校は一応進学校なんで、皆それなりの大学を目指すようです。
僕はどうしようかな。日本史と国語は出来るけど、英語はめっきり駄目なんだよね。
まぁ体育しかできない優作よりはましか。
稀乃は稀乃で数学と理科は天才クラスだし。
咲は……凡人仲間か。
「朝伎さん」
とにかく先が思いやられるよ。
「……朝伎さん」
なんてったってこ
「朝伎さん? 大丈夫ですか?」
最近デンコちゃんにしか反応できなくなってる自分が悔しいです。
「あっ、ごめん!! 何度も呼ばせちゃって」
話し掛けてくれていたのは、右隣のパーマを巻いた金と茶の調度中間辺りをとった綺麗な髪色をしたデコ上パッツンの小柄な女の子――鹿島優奈(かのしまゆうな)さんだった。
あまり面識はないけど。
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