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「鹿島さんは僕達とは2つ位違う次元を生きてるみたいだよ。どうも交わりそうもない」
正直な感想を述べたところ、優作は忌ま忌ましげに舌打ちする。
「ちっ、あんなに楽しそうに話してた癖によく言うぜ」
気がつけば、高校と駅とを繋ぐ道程のちょうど中心位にある電気街に差し掛かっていた。
ここは平日休日昼夜を問わず観光客がたくさんいて、車の往来も多いんです。
高校はあまりこういう繁華街を通学コースの一つに入れるのはよく思っていないようだけど、最寄駅へはここを通る以外には道がないんです。
夜はすごくネオンが綺麗なんですよ。ヤンキーみたいなのは増えますけど。
「デンコ、タワレコ行かねー?」
突然なんだよ。
「んー、今日はいいよ。特に欲しいものないし」
彼の話だと、どうやら今日は彼が推しているアイドルの初回生産版シングルが発売されるそうです。
今天下のアイドルなんで、朝から並ばないと手に入らないと思うんだけど。
「相変わらずつれない奴。なら先行けよ、俺は寄ってくから」
少し寂しげな背中を送り出し、僕は真っ直ぐ駅へと進んだ。
「一緒に行けばよかったかな」
まっ、優作だしいいや。
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