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本当にうちの姉は……駄目です。
「まったく、あれほど火を使ってる時は目を離さないでって言ったのに」
焦げ臭い事件は未発火で済んだのでよかったです。
「ごめんなさーい、だって電子が帰って来たんだもーん」
そんな潤んだ目で見つめないで欲しいなぁ、やりずらいよ。
「とにかく、そういうことだから。さて、じゃあ食べますか」
気を取り直して、僕達はいつも通り2人で食事にすることにしました。
何故かうちの姉、鈍臭いのに料理だけは超絶においしいんですよ。
もし加奈子姉にこの才能がなかったら、きっと僕は一人暮らしを始めてたと思います。
「いっただっきまーすっ!!」
まぁ、いつも笑顔で元気な姉の姿は見ていてこっちまでつい笑っちゃうから退屈はしないんですけどね。
きっと加奈子姉は、その明るい性格の裏で背負い込んでるんだと思います。両親が他界して、僕を護れるのは姉である自分だけだって。
でも、空回りしてるって全く気付いてないみたいで。結局世話をするのは僕なんです。
「電子おいしい?」
そしていつしか思うようにもなりました。
「うん、いつもと変わらず」
この人は、僕が護らなきゃって。
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