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「あんたこの時間なの?」
「そうだよ。1年生の時から変わってないんだ」
昨日の迷惑少女はいつも通り高らかなテンションでたわいもない話を続けて来ます。
「まぁいつもの私とダイヤが3本も違えば会わないか」
彼女が右手に持っている黒い小さめのボックスが気になったんですが、どうやら昨日どうしても欲しくて映画館で買ったアニメ映画のグッズのようです。
「タロットカードなんて使えないのにによく買おうと思ったね」
稀乃は仏頂面で頬を膨らませる。
「別に占いに使おうなんて思ってないわよ」
彼女曰く、そのアニメはタロットが題材になっているらしくそのキャラクターが描かれたカードが結構な人気を誇っているようなんです。
トランプより縦が長いカードでは、背の高いワカメ頭の人や変なまんじゅうみたいなピンクの帽子を被ったいわゆる萌え系の女の子が今にも動き出しそうな体勢でこっちを見ています。
「こういうのが人気なんだ」
「わからないならいいわよ」
ご機嫌斜めになった稀乃はそそくさとカードをボックスにしまい込む。
まぁ知らないふりしてますけどこのアニメはKnowS上がりのファンタジー作品なんで普通によく存じてます。
ただこれよりは僕の小説のほうが断然おもしろいという自負はあります。
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