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千年の時を越え、魔王は蘇る。
そして同時に、魔王の手から世界を守る勇者が誕生する。
昔からこの世界には、そんな言い伝えがあった。
しかし、何時から云われていたのかも、誰が言い始めたのかも、誰も知らない。
人々はこの言い伝えを知っているには知っていたが、誰も信じてなどいなかった。
だが疑いきれない理由もある。
この世界の最北に、片時も日が昇る事が無い場所が存在する。
そこにある“夜の城”と呼ばれる、かつて魔王が住み、封印されていると言う噂の城がある。
対して最南には“太陽の城”と言う城がある。
昼も夜もある場所ではあるが、その城下町は1日中煌びやかで眩しい所であるから、そう呼ばれるらしい。
そしてその“太陽の城”には、大昔に魔王を封じた聖剣が祀られている。
この2つの事実が、言い伝えを疑いきれないものとしているのだ。
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