◎ぜろ◎

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  何時も通り、平和な時間を満喫していた時。 世界中の村、町、城の全てに、それぞれ一通の手紙が届いた。 桃色がかった封筒に差出人の名前は無く、紫色の蝶の印で封がしてあるだけ。 人々は奇妙に感じながらも、好奇心のままに封を破る。 そうすれば、封筒と同じように桃色がかった便箋が顔を覗かせ、疑う事もせずに人々は文面に視線を走らせる。 《我は蘇った  我を讃えよ  我を崇めよ  我を恐れよ  我は闇の支配者  我が世界の主となろう  夜の城の魔王より愛を込めて》 最後には封と同じ、紫色の蝶。 そう。 ついに魔王が蘇ったのだ。  
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