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バッと少年の顔を見た瞬間、私はピキッと音が付きそうなくらいに固まった。
か、顔近くないですか///
そんなに自分の顔が整っているのを自慢したいんですかっ///
分かってますよ、貴方はカッコいい。
お互いの吐息がかかるほど近かった。
「どうしました?」
「うわぁぁぁ!!すすす、すいませんッ!!」
「別に気にしないですから」
光の速さ並みに、少年から距離をとる。
少年は、ニコリと微笑みながら変な行動を取る私をジッと見つめ...
「申し遅れましたが、
僕は沖田 総司と言います。これからよろしくお願いしますね」
「は、はい」
いきなりの自己紹介に『はっ?』って言いかけたが、喉まで出かけたその言葉を呑み込んだ。
そしてまた、少し距離を開けていた私に近づき耳元に顔を近づけ...
「貴方が女性だということは、黙っておきますよ」
と言って、自分の配膳に戻って行った。
私が、火照る顔とは裏腹に、冷や汗がハンパなかったのは、また別の話。
にしても、あれが沖田総司か……。
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