6184人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな事を考えながら自嘲気味に笑うと、今となってはあまりにも遠い、狂おしい愛の記憶が映し出される。
それはまるで映画の様に、鮮やかな色を失わないまま、繰り返し、繰り返し、俺の頭の中を廻り続けた。
……これで終わるのなら、それでも構わない。
せめて最後は……貴女の手で終わらせてほしい。
そんな事を考えながら小さく息を吐くと、静かに瞳を閉じる。
《貴女は……振り向くだろうか》
そう心の中で呟くと、グッと強く拳を握り締めたまま……そっと後ろを振り返った。
最初のコメントを投稿しよう!