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1 レンズの向こうに見える世界(遥)
生温い風が吹き抜ける……夕暮れの繁華街。
次第に静かな闇に包まれていく空とは対照的に、街には色取り取りのネオンが煌めき始める。
そんな街並みを横目に少し気だるい息を吐きながら、人の行き交う道を進んでいた。
辺りには仕事を終えたサラリーマンに、手を繋いだカップル。
大きな声で笑っている若い男女の集団に、誰かを待っている様子の女の子。
そんな沢山の人達が溢れる街を、肩を落としたまま進んで行く。
賑やかで、少し疲れるこの道が、私の家に帰る最短コース。
私の勤める会社から、徒歩十五分くらいで家に着く。
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