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アリアは両手を前に翳して握るように手を閉じると、遠くにいた敵まで全員が体に亀裂が入り深紅の赤いが飛び散った。
瞬間的に血かと思ったが、よく見ると彼らがいた所には深紅の薔薇が散らばっていた。
「…」
何が何だか分からなくなってきて口をパクパクと動かす。
そして一枚の花弁をアリアが掴み愛おしそうに口付け指を鳴らすと、その薔薇の花弁達はどこかへ消滅していってしまった。
さて、と言いながらアリアは振り向き頭を掴んできた。
「あ…」
瞬時に殺されるんじゃないかと思った。
けど、それに気が付いたアリアは皮肉そうに笑いながら言った。
「記憶を消すだけよ。
この姿を見られた時点で消さなきゃいけなかったのにね。
じゃあ、バイバイ。」
最後の言葉を聞くと急に意識が消え、次に気が付いた時は最初の町だった。
その時に覚えていたのはオートシステムのチュートリアルを受け、ある程度レベル上げをしたことだった。
《序章》完
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