第1章

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キーンコーンカーンコーン 「よっしゃ!やっと終わったな!」 「数学死んだわー」 「今回の数学難しかったよねー」 「まぁどーせ返ってくんの夏休み後だろ?」 テスト最終日、チャイムの音と同時に教室が喧騒に包まれた。 うちの学校はなにを考えているのか、夏休みに入る直前の4日間にテストがある。 テストが返ってくるのは夏休み後。 当然その頃には何を解いたかなんて覚えちゃいない。 ましてや、今年は受験だ。 テスト勉強なんかより受験勉強をしなくてはいけない時期に来ている。 つまり、テストはまるで儀式を行っているかのようにどうでもいいものとなる。 何はともあれ、テストの終了は夏休みの始まりを意味することになる。 周りから聞こえてくるはしゃいだ声とは裏腹に俺は陰鬱な気持ちで荷物をまとめていた。
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