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「…いや、だから俺は忙しいんだっ……」
「そうですか、私と一緒に行きたいですか!
じゃあ6時に十六夜球場に来てください。」
…そうかー、俺の都合は無視かぁー…。
沙羅を怒らせると後々怖いので、従うしかない。
「十六夜球場か、分かった……。
…ってちょっと待て!!
十六夜球場って、事務所から2時間はかかるんだけど!?」
6時まで、あと2時間半しかないんだが…。
「じゃあ急いで下さい。
遅れたらデコピン一発ですよ。」
「デコピン一発…。」
俺はゴクリと固唾を飲む。
…そして、2ヶ月前の綾音さんの戦いを思い出した。
姉の綾音さんがあの実力なら、妹の沙羅も同程度の実力があるハズ…。
…そんな達人クラスの武道家のデコピンを喰らったら…。
俺の頭蓋骨……ワレチャイマァース。
そう考えると、背筋に悪寒がはしり、冷や汗が頬を伝った。
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