第2話『逆転の真眼』1日目・探偵・前編

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「…いや、だから俺は忙しいんだっ……」 「そうですか、私と一緒に行きたいですか! じゃあ6時に十六夜球場に来てください。」 …そうかー、俺の都合は無視かぁー…。 沙羅を怒らせると後々怖いので、従うしかない。 「十六夜球場か、分かった……。 …ってちょっと待て!! 十六夜球場って、事務所から2時間はかかるんだけど!?」 6時まで、あと2時間半しかないんだが…。 「じゃあ急いで下さい。 遅れたらデコピン一発ですよ。」 「デコピン一発…。」 俺はゴクリと固唾を飲む。 …そして、2ヶ月前の綾音さんの戦いを思い出した。 姉の綾音さんがあの実力なら、妹の沙羅も同程度の実力があるハズ…。 …そんな達人クラスの武道家のデコピンを喰らったら…。 俺の頭蓋骨……ワレチャイマァース。 そう考えると、背筋に悪寒がはしり、冷や汗が頬を伝った。      
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