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…そして気がつくと、俺は電話を切り、駅に向かって一目散に走り出していた。
タイムリミットはあと2時間半。
…家に帰っている暇はない…一刻を争う!
疾風の如く走る俺の脳裏には、ある6文字の言葉しかなかった。
『死にたくない!
死にたくない!!
シニタクナーーイ!!!』
同日 午後5時50分 十六夜球場 入口前
「……あっ!テンパさ~ん!!
こっちですよ~!」
「…ゼェ……ゼェ……。」
『デコピン嫌だ』の一心で、駅から全力でダッシュし、ギリギリ10分前に辿り着いた…。
…全力で走るのは、5年ぶり…高3の体育祭の100メートル走以来だったので、今の俺は酸欠状態で今にも気絶しそうな状態だ。
三途の川が見えたり見えなかったりしている…。
『…沙羅のデコピンで死ぬことから逃れるために全力疾走で来たのに、死にそうになっている…。
…これは、明らかに矛盾しています!!』
…俺はもうろうとする意識のなかで、沙羅に異議を唱えた(…心の中で。)
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