第2話『逆転の真眼』1日目・探偵・前編

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…そして気がつくと、俺は電話を切り、駅に向かって一目散に走り出していた。 タイムリミットはあと2時間半。 …家に帰っている暇はない…一刻を争う! 疾風の如く走る俺の脳裏には、ある6文字の言葉しかなかった。 『死にたくない! 死にたくない!! シニタクナーーイ!!!』 同日 午後5時50分 十六夜球場 入口前 「……あっ!テンパさ~ん!! こっちですよ~!」 「…ゼェ……ゼェ……。」 『デコピン嫌だ』の一心で、駅から全力でダッシュし、ギリギリ10分前に辿り着いた…。 …全力で走るのは、5年ぶり…高3の体育祭の100メートル走以来だったので、今の俺は酸欠状態で今にも気絶しそうな状態だ。 三途の川が見えたり見えなかったりしている…。 『…沙羅のデコピンで死ぬことから逃れるために全力疾走で来たのに、死にそうになっている…。 …これは、明らかに矛盾しています!!』 …俺はもうろうとする意識のなかで、沙羅に異議を唱えた(…心の中で。)      
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