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「…………………。」
その話を聞いていたか聞いていないかは知らないが…。
(…いや、あれだけ大声出してたら聞こえるか…。)
男性はガラス越しに置かれた椅子に静かに座った。
「……久しぶりだね、雷光君。」
「久しぶりです。
…こんな形で再開するとは思いませんでした…、
…天張先生。」
この人は天張 賢(てんぱる まさる)弁護士。
…俺の師匠で世界一の弁護士であると俺は思っている。
「そうだね。
僕もまさか、殺人犯として告発されるとは思わなかったよ。」
「て…『天張先生』って……、
…この人、雷光先生のお師匠さんなんですか!?」
「そうだよ。」
「………あ、あわわわわ!
これはこれはとんだ失礼を!!
先生の師匠……大師匠!!
大師匠と呼ばせて下さい!!!」
…綾音が神を崇めているかのように拝んでいる。
(……大袈裟だな、綾音は…。)
「やめてくれ、大師匠なんて。
…今はただの専業主夫さ。」
「………………。」
…その言葉を耳にしたとき、俺はとても寂しい気持ちになり、無意識に俯いた。
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