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「……っ!!」
はぁっはぁっ。
「今の夢はなんなんだ? 僕が父さんと母さんを殺す夢……?」
僕はそんな夢で目が覚めた。
外を見ると、農夫がちらほらと見える。
空には太陽が顔を出し始めていた。
「なんだ……。まだ朝方じゃないか」
部屋は当たり前に静かで、時計の音だけがコチコチと響く。
ドキドキと酷く脈打っていた心臓も次第に収まり、僕はホッと一息をついた。
もう一度寝ようと布団に潜り込むが、目が冴えてなかなか眠れない。
「仕方ない。起きよう」
ベッドから出て、僕は近くにあった椅子に腰を下ろす。
しばらく座っていると、ふいに小さな音のような声が聞こえてきた。
「…え……もう………のも…」
「誰だっ」
急いで椅子から立ち上がり、周りを見るが誰もいない。
自分の声だけが静寂の中へと吸い込まれていった。
、
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