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「アルファ!? どうしたの?」
床に膝をつき、僕の顔を覗き込む。
「わかんな…い。急に痛みが」
心臓が激しく脈打つ。
ドクンドクンと跳ねるように。
今にも外に出てしまいそうだ。
それから数分がたち、その痛みは何事も無かったように引いていった。
「ふー……。もう大丈夫。今はもう痛くない」
起き上がろうとした僕に、母さんがそっと手を差し出し支えてくれる。
「ありがとう。母さん」
「それは良いけど、本当に大丈夫なの?」
冷や汗を浮かべている僕の顔を、優しく拭きながら聞いてくる。
「本当にもう大丈夫だよ。今は痛くも痒くもないし」
にっこりと笑顔を見せると流石に安心したのか、母さんも笑った。
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