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「ゲンじいちゃんはウソつきなんかじゃない。あの時はたまたま見つからなかったんだ」
「健……」
いつもこうだ。ゲンじいちゃんのことになるといつも冷静な健はムキになる。ゲンじいちゃんと健の間になにがあるかはしらないが、まあ、親友が信じるというなら、俺も信じる。
それが「親友」ってもんだろ?
「分かった。その水神湖ってところに河童がいるわけか」
「ああ。その河童ってのが普通とは違うらしい」
「……緑色じゃないのか?」
「それもあるが……」
健はんっんっと咳払いをした。顔を赤らめている。
「可愛らしい女の子で、スク水を来ているらしい」
「ハイ! ウソ!!」
俺は即に叫んだ。
「なんだと! この野郎!」
健が立ち上がり、俺に歩み寄る。
「待て待て! 疑問点が二つある! まあ、座れ!」
健は鼻息荒く、腰を下ろす。
俺は人差し指を上げる
「まず一つ。ゲンじいちゃんの時代にスク水があったのか」
「あったかもしれない」
中指も上げる。
「二つ。それってただの女の子じゃね?」
「いや、それはない」
健は断言する。
「なんで?」
「胸のゼッケンに『2ーA 河童』と書いてあったらしい」
「河童さんだよ! それ!」
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