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そんな文句も毎朝呪文のように唱えているとだんだん慣れてくるのが人間の悲しい性なのか。
乾く様子のないバスタオル一枚で手早く身体を流すと、修司はタバコを一本ふかす。
ほぉっと息を吐くと白い煙が天井に昇って消えた。
大学卒業を間近に控えながら、全く就職先が見つからない苛立ちが彼に喫煙の習慣を与えた。
タバコは良い、俺の期待を裏切らず、失望させない唯一無二の相棒だ。
相棒。
相棒かぁ…。
ふと、まだまだ眠い修司の脳裏に、まだ今の半分位しか身長がなかった頃の記憶が蘇った。
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