起キル

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その時だったーー… チャリーンッ!!! 小銭を数枚落としたような高い金属音が鼓膜を直接震わすように響いた。 『こっち見ちゃ駄目だ!!!』 えっ…!? 少年の発した突然の叫び声で、修司は我に返った。 ふいに現実に目を向けるとシャワー室の蛇口から水が一滴ずつ、ゆっくりと滴っていた。 カビと錆びた金属の混じり合った匂いはいつもと変わらないが 今の修司にはそれが、堪らなく憎らしく思えた。
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