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木の数が、例年増え続けている。その下を葉は新しい鞄をかついで歩く。
昨日の夜、また新たに犠牲者が出たらしい。それが丁度、通り道だという話だから不思議なものだ。
通り過ぎる、人々の足が速い。頬に感じる風が次の瞬間、凍り付くような冷たさに変わる。
いやな予感は的中した。
「花吹雪だぁぁぁあ!」
逃げ惑う人々。葉は必死に走った。が、十歩とたたぬうちに足を引っ掛けて転ぶ。
膝をすりむいた。そこから血の匂いがただよう。
人は誰も見当たらなかった。
風が強く吹き、花弁が高々と舞い上がる。餌は、血の匂いの元へ…
葉だった―――…。
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