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学校を出てから少しのところにある、公園の前で僕は立ち止まった。
「ああ、どうしよう……」
怖い先輩から逃げてしまった。明日、学校へ行った時またあったらどうしようか。東京湾に沈めてやる! なんてことはさすがに言われそうにないけど、すごい怖いことをされそう。
さて、とりあえず公園で一休みするとしよう。
公園の隅にあるベンチに座ってペットボトルのお茶を飲む。先輩に話しかけられてすごく喉が乾いていたので、飲み干してしまったよ。
このまま、日差しを浴びていようかな。
公園に来てから20分とちょっと過ぎた。僕は足をパタパタとさせながら反省した。さすがにのんびりしすぎかな?
というわけでそろそろ家に帰ろうと思う。まだこの暖かさを味わっていたいけれど。
公園を出て、家へ続く道を歩く。学校から公園までは大通りを通ればいいけどここからは寂れた商店街を通るから、少し怖い。
入り口のこの場所から見て一店か二店開いてるくらいの寂れようが、物凄く悲しくて、怖いんだ。
なんて考えつつ商店街の通りを歩いていく。何か考え事をしていると、怖いのも薄れるよね。
商店街の通りを半分くらい過ぎると、大きな広場に出る。真ん中に噴水があって、昔はここを待ち合わせに使ったりしたのかな、と思った。
僕が立ち止まっていると、僕が入ってきた方とは逆の道からあの怖い先輩が走ってくる。まだ制服を着たままだ。もしかして、先回りしておいて僕を捕らえるつもりだったのか!
というのは勘違いみたいだった。先輩の後ろからあまり背の高くない、中年のサラリーマンが走ってきている。走ってきているというよりは、先輩を追いかけてるみたいだ。
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