独りの少年

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「なんかツッコミを入れるのも疲れてきた。」 「とにかく俺は荷物の整理で忙しいんだ。」 さっさと出ていって欲しい。 「まあまあ、そう言うなって」 手伝いもせずに俺の新しい家でふんぞり反って文句ばかり言う。 「何でじい様はお前も連れて来たのか理解出来ないな。」 「あはは、俺としてはでっかい屋敷に住めるのにわざわざこんなところに来るほうが理解出来ないよ」 「それは前から言ってるだろ?」 そう、俺は誰も信用出来ないが為にこんな遠いところを選んだ。 クラスの奴に会わない為に。 じい様は明久だけでも連れてけってうるさいけど。 弄るの楽しいからいいか。 そんなことを思いながら荷物を運びこむ。 半分くらい片付いたところで明久も少しだけ、ほんの少しだけ手伝ってくれた。
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