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三毛猫はキョロキョロと辺りを珍しそうに見ていました。
「あっ、あれは何だろう?」
道の向こうから何か大きな物がブロロロロと大きな音を立てて来ています。
「何かなー?」
三毛猫は楽しそうに大きな物に向かって行きました。大きな物はすごい速さで近づいて来ています。
「危ない!」
あと少しという所で三毛猫は後ろから引っ張られました。その三毛猫の前を大きな物がビーッと大きな音を立てて通り過ぎました。
「わわっ」
三毛猫はビックリして毛を逆立てました。
「お前自分から車に突っ込んで行くなんて何考えてんだ!自殺志願か!?」
「え?」
振り向くとそこには真っ黒な猫がいました。金色の目がギラギラと光っています。
「ち、違います、何かなーって思っただけです」
「お前車も知らねえのか、一体どこの田舎モンだ」
黒猫は呆れてしまいました。
「へー、あれがクルマですかー初めて見ました~」
無邪気な三毛猫に黒猫はため息をつきました。
「いいか、動いてるヤツには絶対近づくなよ、下手したら死んじまうぞ」
「えっ、そーなんですか?!」
三毛猫はビックリして目を見開きました。
「止まってるヤツは大丈夫だ」
「そうですかー」
三毛猫はあからさまにホッとしました。
「えっと、危ない所を助けていただいてありがとうございました」
三毛猫はペコリと頭を下げました。
「あの~お名前は?」
「オレか?オレはブラックだ」
「クロさんですねー」
「なんでそこでクロになるんだ!」
三毛猫は「えっ?」と首をかしげました。
「だってブラックでしょう?」
「そうだ」
「ほらやっぱりクロさんですー」
「なんでだ!お前の頭の中はどうなってやがる!!」
「ですから、ブラックさんですよね?」
「ああ」
「ブラックは日本語でクロでしょう?」
「そうだが」
「だからクロさんですー」
「わけわかんねーよ!」
黒猫は一歩前に出ると三毛猫を指差しました。
「あのなっどこのモンか知らんが何でもかんでも訳すなってーの!」
と、そこで黒猫はふと気になりました。
「お前、車も知らねえクセになんで英語知ってんだよ」
「それは外国に住んでたからですー」
「外国~?」
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