第一章

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土「実は今日出掛けてきた帰りに雨の中で突っ立てた女がいてよぉ」 土方と沖田は近藤達の近くに座りながら桜のことを話始める 土「何を言っても答えねぇし家っつったきり泣き出すし、様子がおかしかったから頓所に連れて来たんだ」 近「………それは気掛かりだな。その子は今どこにいるんだ?」 淡々と話す土方に対し、近藤は顎に手をあて苦い顔をしていた 土「ずぶ濡れだったから平助に見張らせて風呂にいれてる」 近「そうか……」 元々情の厚い近藤は表情を曇らせたまま考え込む 沖「その子、伊勢屋っていう呉服屋の一人娘なんですよ」 サ「伊勢屋ですか!?」 考え込んでいる近藤を気遣ったのか、沖田が桜の家の話をするとサンナンが驚いた声をあげた 黙っていた土方や考え込んでいた近藤も珍しく大きな声をあげたサンナンに目線を向ける
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