第一章

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土「……こんなこと、許す訳にはいかねぇんだよ」 低く小さな声で土方は呟いた 土「両親の為に……何よりもお前自身のために犯人は見つけ出さなきゃならねぇ。罪は償うもんだ」 桜の目を真っ直ぐ見つめ、土方は語る 土「俺達も全力を尽くす。だから……椎名、辛いだろうがお前も協力してくれねぇか?」 その声は桜の心の中に不思議なほどよく響いて、ただ泣きながら頷くことしか出来なかった 土「ありがとな……」 泣きじゃくる桜に優しく微笑み掛けた土方は、ゆっくり歩み寄ると桜の背中をさする 土「辛い時は思いっ切り泣け。少しは楽になれるはずだ」 桜は声をあげて泣き出し、土方もそれ以上は何も言わなかった
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