ピース1

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家の2階のベランダ。 今日はとてもいい天気で、家族3人、シャボン玉を作って遊んでいた。 お父さんと、私と、まだ幼い弟。 突然、下からお母さんの悲鳴が聞こえてくる。 私たちは駆け出して、階段でリビングを目指す。 ガタン、と音がして、段が消え、階段がまるで滑り台のように変形する。 ぞっとしながら重力に任せて滑り降りていると、一番前にいた私のすぐ横に、不気味な魚が現れる。 くすんだ灰色に、大きな口。 鋭く尖った、ぎざぎざの歯。 頭からは、先端に丸い光を放つ柔らかい角のようなものが垂れ下がっている。 (ああ、鮟鱇みたい。) 一瞬私の方をギョロリと睨んだそいつは、私の右をすり抜けてすーっと飛びながら降りていく。 嫌な予感がして、急いでリビングに行くと、さっきの魚がなにやらモグモグと口を動かしている。 そばに、お母さんがよく読んでいる雑誌が落ちていた。 「お母さん…!」 やつが、私を見てニヤリと笑った気がした。 .
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