彼女の死

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「おっそいじゃん? まさかそんなんで本気で走ってるとか冗談言わないでよね?」 智恵がハイペースで走りながら僕に意気揚々と話しかけてくる。 僕は智恵のペースについていきながら、不満そうに彼女の問いに対して答えようとした際に、グラリと頭が揺らされたような気持ち悪さが僕を襲うが、それを彼女に指摘されないように何でもない顔した。 「智恵は飛ばしすぎなんだよ、事故っても知らないよ?」 「事故起こすほど周り見えてないわけじゃないっての。 大丈夫だよー、体力だけじゃなくて瞬発力とかも兼ね備えてるから!」 「生意気な…」 「生意気とは失礼な!」 ここら辺で智恵がペースを落としてくる、男子とは言えたらたら走りすぎているので開きすぎたその差を縮める為だろう。 正直、僕にとっては嬉しい。
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