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それから、瞬く間に、本当に、あっという間に数日が過ぎた。 あれから鳩はやって来ない。 あの鳩の目印は、左足に付けてる足輪だった。 他の鳩には、足輪はなかったのだ。 「やっぱり・・」 夢だとわかっていても、なぜかガッカリした。 しかし、その日の昼過ぎに、一羽の鳩がやって来た。 左足に、足輪をつけていた。 しかし、可哀想に右足が無かったのだ。 多分、いたずらな子供か何かに傷つけられたのか、事故にでもあったのか・・ 俺が、せんべいを細かく砕いて投げてやる。 鳩は、あわててパクパクと食べ始めた。 首を前後にカクカク忙しそうに動かしている。 しかし、一息入れたように、鳩が周りをキョロキョロも見渡してから 「行ってきたよ」 「・・?!」 俺は、唖然とした。 「びっくりしないでよ、遅くなってごめん、途中、休んでた時に、子供にイタズラされて、このザマさ」 と、右足をチョコンと上げたように見えた。 「・・・」 俺は、信じられなかった。 しかし鳩は 「君の子供は元気だよ、パパに宜しくだってさ」 嘘でも涙が流れた。 夢でもよかった! 不思議に嬉しかったのだ。 俺は鳩に 「足は大丈夫か?」 と聞いた。 「まだ痛いけど、大丈夫だよ」 と鳩が云う。 「ひどい事をするよなぁ・・」 俺は、本心でそう思ったのだ。 たとえ鳩でも、生きているのだ。 しかし、鳩は案外元気だった。 病院にも行けないのに・・ 多少ビッコを引きながら歩いている。 鳩が云った。 「君も、1日も早くさ、頑張って、真面目になって、子供に会いに行きなよ」 「・・・」 「君の子供、一樹君と夏紀ちゃん、良い子だね、友達と元気に遊び回っていたよ」 俺は、流れる涙を拭いもしないで 「ありがとう」 と、その時チャイムが鳴った。 昼寝の時間が終わったのだ。
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