気持ち

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幼稚園の頃のあたしは、恋なんて言葉も意味も知らなかった。だから日向くんへの気持ちも、よくわからなかった。 だけどある日のこと―。 「日向くん遊ぼうよー!」 あたしはいつも通り、日向くんの家に遊びに行った。だったんだけど… 日向くんの家に着いてみると、家の中には知らない女の子。その子のお母さんもいる。 「あら、雛ちゃんこんにちは」 日向くんのお母さんは言う。 「こんにちは…」 あたしが日向くんのお母さんに挨拶すると、知らない女の子が、 「初めまして、日向くんのお友達です。祐希(ゆき)っていうの。よろしくね。」 ゆきちゃん…? なんだろう、この気持ち…もやもや?なんだか嬉しくない。むしろなんだか嫌だ。 やきもち、ただのやきもちだった。なのにあたしは… 「…っ」 走って自分の家に逃げてしまった。 今思うと、申し訳ないなあと思う。けどそれだけあたしは、その頃から日向くんが好きだった。 _
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