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それから数日後。
俺は悠奈ちゃんのいない時を見て彼女たちの溜まり場へ足を運んだ。
「何しに来やがった!!」
「悠奈ちゃんの事でね。悠奈ゃんの腕に痣があったんだけど、あれは?」
「――なぁ、ちょっと結城たちと話しあるから、"奥"使うよ?」
「わかったー」
「で、何が聞きたい……」
「悠奈ちゃんの痣というか傷は?」
「悠奈の母親はさ悠奈を毎日虐待してるんだって、理由はわからない」
沙羅ちゃんは、悠奈ちゃんのことで知っている事を全て話した。
悠奈ちゃんの家族の事、悠奈ちゃんが何故ここにいるのかも……。
「悠奈の話を聞いてどうするかは、アンタ次第だけどな!悠奈を泣かせたら私は許さないからな!!」
沙羅ちゃんは俺にそう叫んだ。
それからしばらくして。
「なぁ、結城……。"奴ら"が何か動いてるんだけど……?」
勇からそう報告を受けた。
「何してるんだろう……」
「沙羅からの話だと奴ら広瀬さんに接触しようとしてるらしいぞ?」
「なぁ勇。嫌な予感するんだけど……」
「見張りつけるか?」
「ああ、見張りつけて報告は必ずさせるようにして」
「わかった」
俺の元に、"四天王"と呼ばれる、メンバーがいた。
そのうちの3人をみんな3馬鹿と呼んでいた。
飯田義大(イイダヨシヒロ)、火山水城(カヤマミズキ)、火山奈乃花(カヤマナノカ)。
彼らはいつも3人でつるんでいる。
彼らは、薄々俺が悠奈ちゃんに惚れているのに気づいているみたい。
彼らは、俺ですら手におえない厄介者なんだ。
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