第7話~結城と悠奈final~

3/15
前へ
/196ページ
次へ
「なぁ、勇?悠奈ちゃんの友達のあの子、まるで悠奈ちゃんに火山兄妹を近づけないようにしてない?」 「火山兄妹のこと嫌いなんじゃないか?」 「そうかな?」 「そうだ!!それよりも、お前はいつまでにやけてるんだ?気持ち悪い!!」 「いや、だってさー」 だってこの衣装の悠奈ちゃん、すっごく可愛いんだよ!? 仕方ないじゃない。 「でもさ、結城?彼女ミスコン出ただろう?」 「あぁ!出たね?あの衣装もよかったなぁ~」 「結城ーお前、のん気すぎっ学園祭のあとな、広瀬さんめちゃくちゃモテてるみたいだぞ?」 「!?」 「まぁー、当然と言えば当然だよな?天然だし、可愛いし守ってやりたくなるような雰囲気だしなー」 勇の奴。 そう、悠奈はすごくいい子なんだ。 だからモテないわけないんだけど……。 そんなある朝――…。 悠奈ちゃんが友達と学校に来ているとバッタリ出会ってしまう。 そして、靴箱へ向かうと。 「うわぁ~!悠奈また、手紙入ってる~」 そう叫ぶように悠奈ちゃんの友人は聞こえるように言ってくる。 「悠奈ちゃん、凄い手紙だね……」 「学園祭のあとから急に増えたんですよー」 と悠奈ちゃんの代わりに悠奈ちゃんの友人が答える。 そして、俺は勇の言っていた意味を知る。 「なるほど、確かにライバルが増えたみたいだね」 遠い目して呟く。 誰が相手でも俺は譲るつもりないけどね。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加