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「なぁ、勇?悠奈ちゃんの友達のあの子、まるで悠奈ちゃんに火山兄妹を近づけないようにしてない?」
「火山兄妹のこと嫌いなんじゃないか?」
「そうかな?」
「そうだ!!それよりも、お前はいつまでにやけてるんだ?気持ち悪い!!」
「いや、だってさー」
だってこの衣装の悠奈ちゃん、すっごく可愛いんだよ!?
仕方ないじゃない。
「でもさ、結城?彼女ミスコン出ただろう?」
「あぁ!出たね?あの衣装もよかったなぁ~」
「結城ーお前、のん気すぎっ学園祭のあとな、広瀬さんめちゃくちゃモテてるみたいだぞ?」
「!?」
「まぁー、当然と言えば当然だよな?天然だし、可愛いし守ってやりたくなるような雰囲気だしなー」
勇の奴。
そう、悠奈はすごくいい子なんだ。
だからモテないわけないんだけど……。
そんなある朝――…。
悠奈ちゃんが友達と学校に来ているとバッタリ出会ってしまう。
そして、靴箱へ向かうと。
「うわぁ~!悠奈また、手紙入ってる~」
そう叫ぶように悠奈ちゃんの友人は聞こえるように言ってくる。
「悠奈ちゃん、凄い手紙だね……」
「学園祭のあとから急に増えたんですよー」
と悠奈ちゃんの代わりに悠奈ちゃんの友人が答える。
そして、俺は勇の言っていた意味を知る。
「なるほど、確かにライバルが増えたみたいだね」
遠い目して呟く。
誰が相手でも俺は譲るつもりないけどね。
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