207人が本棚に入れています
本棚に追加
私が席に着くと、待ってましたとばかりにクラスメート達が声を掛けてきた。
「どこの学校から来たの?」
「さっき噛んでたよね!?」
「その眼鏡ダテ?」
「どこ住んでんの?!」
「彼氏は!?」
「えっ!?えっと…えっと…。」
一生分位の質問攻めに戸惑っていると、私の横の扉が勢いよく開いた。
ガラッ!
きゃっ…!びっくりしたぁ。
「おー海人!また遅刻かよ?」
「うん。寝坊してもぉたわ。…何なん?この騒ぎ。」
海人という名の男子は私の周りに集まった大群を眺めた。
「今日転校生が来たんだよ。」
海人は私に気が付くと、人の波を掻き分け近付いてきた。
わわっ…!こっち来たよ!?
席の前まで来ると、膝を床について目線を合わせてくれた。
「俺、岸 海人。よろしくなぁ!!」
ニカッと白い歯を見せ、手を差し延べ握手を求める。
「あ…柳田れす…。」
私は握手に答えた。
手…大きいな……。
「柳田!?…ほんで、下の名前は何て言うん?」
「…めぐみ。」
「おぉー恵まれてんなぁー!!」
豪快にハッハッハッと笑うと、周りのみんなも海人につられて笑っている。
どうやら彼がこのクラスの中心人物みたいだ。
手…いつ離してくれるんだろ…?
最初のコメントを投稿しよう!