207人が本棚に入れています
本棚に追加
1時間目が始まり、壇上では国語の教師が詩を朗読している。
はぁ…最悪の自己紹介だったなぁ。
私はさっきまでの事を思い出して、ため息をついた。
岸 海人君か…。良い人そうだったな。関西の人かな?
私の斜め前の席でスヤスヤと座っている岸君を眺めた。
寝坊して来てまた寝てる……。
それにしても、気持ち良さそうな寝顔だなぁ。
思わず笑ってしまった。
昼休みになった。
「柳田さん。一緒にご飯食べよう?」
「あっありはとう…。」
「…ふふっ。柳田さん可愛い。」
え…?何でだろう…。
「私、井上 馨。カヲルって呼んでね。」
馨は私の机の真正面に座り、見るからに美味しそうなお弁当を広げた。
「柳田さんって…すごく目悪いの?」
「め、めぐみでいいよ。うん、悪いよ。何れ?」
「だって分厚いレンズだからさー。あ!コンタクトにしたら?」
「はぁー…コンタクトかぁ。考えとくね。」
「ふふふっ。」
どうやら馨に気に入って貰えたみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!