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午後の授業も終わり、下校の時刻になった。
「部活行ってくるね。めぐみ、バイバイ!」
「バイバイ。頑張ってね。」
手を振り、馨を見送った。
私は鞄の中から一枚の封筒を取り出し、入っている紙を開いた。
「…。」
それを鞄に戻すと、掃除中の人に声を掛けて教室を後にした。
うーん…この辺のはずなんだけど……。
辺りを見回し、地図に目を落とす。
…もしかして、迷った…かも。
右往左往していると、後ろから声を掛けられた。
「どうかしましたかぁ?」
「あっ!えっと…この住所って…え!?」
振り返ると、そこには男の子が立っていた。
私の顔を覗き込んでいる。
てっきり女の人だと…。
「お家行くんでしょ?ぼくが連れてってあげるよぉ!」
男の子はニコッと笑う。
可愛いらしい容姿ながら、いかにもな美少年で背中にはお花畑を背負っている様に見えた。
うっ…可愛い!!
男の子は私の手をとり、ギュッと握ると「こっちだよぉ!」と言い歩き出した。
「え…ちょっ…。」
まだ地図見せてないのに…道分かるのかな?
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