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「それにしても小さいね、あなた小人? ……あ、その前に名前言わないとだね!」
マシンガンのように早口で、少女は口を開いては騒がしく話す。
春菊の彼女に対する第一印象は煩いで決まりだ。
「じゃあ俺から。俺は雪村春菊。見た通り、小人だ」
可愛らしくぴょんぴょん跳び跳ねるが、先ほどの行動から、憎たらしくも見える。
「私は橘優未(たちばなゆうみ)だよ。元外来人で今はアリスのところで住んでるんだ」
優未は嬉しそうに、自分のことを話し出すと、次は、アリスと言う少女のことを話そうとする。
「アリスっていうのは――」
「私がなにかしら、優未?」
噂をすればなんとやら。今話してた話の張本人、七色の人形遣いと名高い、魔法使いのアリス・マーガトロイドだ。
金髪の綺麗な髪を掻き揚げ、優未と春菊を交互に見る。
「わおっ!? アリスだ」
「アリスよ。それで、なにと話してるの? 人形?」
「違うぜ、小人だ!」
春菊は小さな体をいっぱいに活用し、自分が生きてるんだとアピールする。
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