第1章 1節

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なんでわたしだけ―― そう思った事は何度もある。 最初のうちは、無視されたり罵られたり小さないじめだった。 でもだんだんエスカレートして… 物が無くなり―― 体操服がバラバラに切られていたり―― そんな時、いつもそばに いてくれたのが 井上 坡菜 (イノウエ ハナ)。 高校で唯一できた親友。 「うちは茉子の味方だからね」 それが坡菜の口癖だった。 人を信じられなくなった私が、信じていられたのが坡菜だけだった。 「坡菜、いつもありがとう」 「…どうしたの、いきなり。 …でも、絶っっ対茉子は 守るから!!」 ――本当に坡菜がいてくれて良かった。 この時私は気付いていなかった。 私がなぜ、いじめられたのか―― そして、彼女は――
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