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僕は思いついて、これも写真に撮っておこうと思った。 目の高さにある塀の上に瓶を乗せ、反射の綺麗な向きを見つけると、僕はカメラのファインダーを覗き、シャッターを押した。 すると覗いていたファインダーの隅に、大きな麦わら帽子を被った少年が立っているのが見えた。 カメラを降ろすと、ファインダーの中の少年が変わらずそこに立っていた。 この暑い日差しの下に似合わないような、白い肌をした子だった。 年は小学校低学年くらいだろうか。 柔らかそうな茶色い猫っ毛の髪。 無造作に下ろしてる前髪から、広い額が覗いている。 全体的に色素の薄い子のようだ。 くりくりとした大きな瞳も茶色で、不思議そうに僕を見ている。
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