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ふと目を向けた先に駄菓子屋があった。
懐かしい駄菓子が並んだ奥に、寝ているのか起きているのか分からない程じっとして動かないおばあさんが座っている。
店の軒先にある日陰になったベンチを見つけて、僕はここで一休みすることにした。
「おばあさん」
店に入り、奥のおばあさんに声をかけてみたが反応がない。
「おばあさん」
僕はもう一度、さっきより少し大きな声で呼んでみた。
するとおばあさんは少し首を上げ、小さい目を開いて僕を見た。
「おやおや、お客さんかね。何かご用かのぅ?」
「ラムネをください」
「はいはい。よぉく冷えてますよ」
そう言うとおばあさんは少し横を向き、ガラス張りの冷蔵庫から冷えたラムネの瓶を取り出した。
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