出会い

5/6
前へ
/68ページ
次へ
その日の放課後、部活見学が始まるということで、俺はサッカー部を見学しようと思っていた。 俺は小中とサッカーをやっていたし、少年サッカーチームにも入っていたから、サッカーには自信がある。 俺はサッカー部に向かって歩き出し、途中で図書室を見つけた。 俺は運悪く数学の課題が出されていることを思いだしてしまった。 拓海「参考書でも借りるか…」 俺は図書室に入った。 何気なく見渡しながら、参考書の棚を探している時、文学小説の棚で本を読んでいる女生徒を見つけた。 俺はその場から動けなかった。 そこは紛れもなく図書室なのに、まるで彼女の周りだけ、異世界のような…不思議な感じがした。 ふと、彼女が俺を見た。 里穂「あ…貸し出し利用者の方ですか?」 拓海「えっ、あっ、はい!」 俺は咄嗟に答えた。 元々参考書を借りようと思っていたのだから、嘘じゃない。 里穂「今すぐカード作りますね。クラスと名前を教えて下さい」 拓海「あ、1年B組の磯崎拓海です。えっと…」 里穂「2年A組、牧瀬里穂です」 それが、俺と先輩の初めての出会いだった。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加