背負う者

宝物

「てかさ。……結局、ケンタをいじめてたのって誰だったんだろ」

「さぁな……。んなことより、行きたい場所があんだけど」

　俺とリョウは、目を合わせてニヤリと笑う。

「やっぱり？」

「放っといてもいんだけど……乗りかかった船ってやつだからな」

　リョウも笑顔で頷く。

「んじゃ、タクシーもう一台っ！」