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「ケンタ、逃げんなよ!」
タケシが声を荒げる。
「サオリさんの手、離して本当にいいのかよ!?
あの人が……何でタクミを指名したかわかってんだろ!?
お前を好きだから……だから……っ!」
ケンタは少し驚いたような顔をして、そして微笑んだ。
「わかってる。……けど、もう、あの人の側に行く自信が持てない。
あの人を大事にできる自信が、ないんだ」
「ケンタ……」
お互いを大事に想うから。
だからこその、二人の決断だった……。
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