意中の彼の小物を使って…

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side宍戸 中学三年の夏、自分の力を過信し、予選でぶざまに敗北した俺は一度レギュラーから外された。 そんなどん底だった俺を助けてくれたのは、一つ年下の鳳だった。 鳳は部内一のお人よしで、それこそ顔に『いい人』ですとでも書いてあらんばかりに、いつもニコニコ人好きな顔をしてて、俺は最初いけ好かない奴と思っていた。 けれど、一度落ちぶれた俺の特訓に何も言わず付き合ってくれたのは他の誰でもない鳳だった。 その後、特訓のお陰で部内戦でレギュラー復帰し、鳳とダブルスを組む様になった。 二人で全国を目指した暑い夏から六年、俺は教師を目指し教育学部へ、鳳は弁護士を目指し法学部へと、俺達は別々の道を歩んでいる。 もう前みたいにお前の隣に立てねーんだろうか…。もうお前には俺は必要ねぇ?
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