第壱話

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「涼様姫!!」 「どうしたのだ?」 わらわは武田信玄の一人娘。 残念な事に母上は昔に他界してしまった。 男手で育てられた。 周りには男しか居ない。 女の使いは一人もいない。 だから、幸村や佐助などと遊んでいた。 「某はそろそろ、稽古に行かなければならないのでございまするが、行っても良いでございまするか?」 「もう行ってしまうのか?寂しいのぅ。」 幸村は古くから代々武田軍の使いをしている。 佐助は最近来たばっかりの忍び。 「涼姫~、俺が相手しようか?」 「おぉ、そうか。よし、幸村行っても良いぞ。」 何故か佐助だけはタメ口なのだ 「父上、佐助と外に行ってきます。」 「おぉ、そうかそうか。気を付けるんだぞ。」 「はい。」 父上は、わらわをとても大事にしてくれてる 父上が佐助を睨んで目で何かを訴えていた。 佐助は静にうなずいた。 「何処に行くの?」 「そうじゃなぁ、皆に会いにいってみるか。」 「そんなぁ。やだよ」 佐助は異様にいやがる。 「仕方ないのぅ、じゃあ何がしたいのだ?」 「うーん。そうだなぁ、どこかにいこうよ。」 「だからどこに行きたいのじゃ?」 佐助はいつも曖昧だから・・・ 全く。
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