魔王と魔女の結婚

～花嫁になりました～

そうだ。
少し確認しないと･･･。

『ねぇ、私は貴方のことをなんて呼べばいいのかしら？』

賢いルシファーなら、これだけで意味がわかるはず

案の定、考え込むように
ナイフとフォークをおいた
「ふむ･･･。普段はサタン。2人だけの時は、名前で呼べ」

力があるものは、真名にも力が込められる。
それは、私もルシファーにも言える。

そして一番重要なのが、
真名を知られるということは
相手に支配される。
契約という詞があるけれど
あれは言い換えるなら
真名による支配。
【サタン】は知られてもいい偽名、役職。
【ルシファー】は知られたら支配されてしまう真名。
私の【魅麗】も偽名。
嫌、本名という名の偽名。
私の真名は、転生を繰り返すうちに
一番最初の記憶とともに消えてしまった。
もしかしたら、私の意思で消したのかもしれないが
現在困っていないのだからいいかと思う。
真名を取り戻したら
今の数倍の魔力が戻るだろうが
結局は【If】でしかない。