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**** 教室に行くと、いつものグサグサ突き刺さるような痛い視線。 あいつ会長の何なの 気に入られてるからって調子乗ってる 金でも使ってるんじゃないの 会長に近付くなんて気に入らない そんな声はいつものことだから慣れた。 影でぐちぐち言うだけでなにもされてないし、左から右に流せばいいだけだ。 1年A組。これが俺のクラス。 クラスメートの三分の二があのくそ会長の親衛隊に入っている。 その名も『会長の心も身体もみんなのもの!独り占めするもんならぶったおしてあげるぞ!痛いのと気持ちいいのどっちがお好み?』 略して会長部らしい。 なんじゃそのネーミングセンスとか馬鹿に出来なくて、全校生徒の半分以上がこの親衛隊に入っているのだから驚きだ。 おかげで学校中どこ歩いても睨まれるのだから悲しいことこの上ない。 あんな変態のどこがいいんだか。 あ、顔か。 俺も最初見たときはどっかの国の王子かと思ったなぁ。 ま、開口一言でそんなもんは玉砕したが。 「ねぇ」 今思えば、あんなとこで会長なんかに出会わなければこんなことにはならなかったんだろうなぁ。 たくさん友達が出来て、青春街道まっしぐら~ってな感じでさ。 「ちょっと、聞いてんの?」 学校帰りにゲーセンとか、カラオケとかさ。 会長にさえ会わなければ……… 「ねぇってば!」 「うぉっ!?」 あれ、いつからこの人こんな目の前にいるんだ? 「さっきからいたわよ!」 「ぎゃっ、心を読んだ!」 「口で言ってたわよ!」 「まじでか!」 やっべー、この癖なんとかしないとな。 一人っ子だから本当に独り言多いんだよな。 「そんなことより、ちょっと面かしな」 勇ましい! じゃなくて。 あー………とうとう制裁くる? だって、俺を呼び出したの親衛隊隊長だからなぁ。 これは確実に近い。 クラスのやつらは、 やっときた!って喜んでるし。 ああもう、今日は厄日だな。 *
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