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「失礼します!六朗です!」
外から、大きな声が聞こえた。
「入れ。」
入って来た六朗は、兜を外していた。
「どうした?兜は、邪魔か?」
悪戯に笑い、着座を促した。六朗は、先の戦までは、足軽に過ぎなかった。
だが、此度の戦からは、自分の副官として扱っている。
故に、着なれぬ筈なのだ。具足や兜は、初めて身に付ける様な物だ。
「い、いえ!少し汗をかきましたので、拭っていました!」
「まあ、良い。座れ。立ち続けるつもりか?」
言うと、慌てて頭を下げ、眼の前に腰を降ろした。
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