第九章 業

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「…そうか。お前は、人を見るのだな。いや、人の内を見る、と言うべきか。深く、重い、か。そうだな、そうなのかもしれん。」 「出過ぎた事を、言いました。お許し下さい。」 「構うな。…父を亡くし、主家には見捨てられた…辛かろうな。だが、それを乗り越えたのやもしれんな。」 六朗は黙って頷き、食事を続けた。利孝も、何かを話そうとは思わなかった。 今江頼賢。今江兵部の嫡子。信用できるのか。 兼通は、頼賢に何かを見たのだろう。そして、頼賢も変わっていた。
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