第九章 業

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眼は光を放たないが、その奥には、激しく燃える物が有りそうだった。 そして、わざわざ忠好という、目付けを受け入れた。 信用出来るのか。どこか、信用してみようと、思い始めていた。 法螺が聞こえた。どうやら、進発は早まった様だ。 「先陣が出るな。六朗、かきこめ。準備を急がねばならんぞ。」 「はい!直ぐに準備を再開します!では、お先に!」 六朗は、食事を殆ど済ませていたようだ。 駆け出して行く六朗の背中を、汁を啜りながら見送った。 汁を呑みきると、具足を直し、外に向かった。
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