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「これは…そうか。受け取った。重綱殿に、有難くと伝えてくれ。」
「はっ!では、御武運を!」
馬廻りが、駆け出して行く。頼賢が一度、槍を頭上に掲げた。
それを振り下ろすと。寂しげな風切り音が響いた。
その残響を惜しむように、頼賢が空を見上げた。
「さて、出るぞ。忠好、俺が間違えを起こせば、いつでも斬れ。俺は、甘んじて受けるぞ。」
「下らん。お前など斬れば、刀が泣くわ。下らぬ心配をせずに、精々討死せぬ様にしろ。」
「ふふ、そうだな。お前に笑われながら死ぬのは、少々煩わしい。出るぞ!全隊展開!兵糧を必ず守り通せ!」
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